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WordPressの編集画面には、クラシックエディタとブロックエディタという2つの形式があります。
現在はブロックエディタが標準として設定されているため、最近使い始めた方はブロックエディタに触れることになります。
一方で、以前から運用されているサイトではクラシックエディタがそのまま使われていることも多く、実際には両方の形式が併存しているのが現状です。
こうした違いは、WordPressの利用時期やサイトの運用環境によって生まれています。編集画面の種類によって操作方法や見た目が変わるため、情報を調べている中で戸惑うこともあるかもしれません。
本記事では、それぞれのエディタの特徴と、現在も併用されている背景について整理します。
それぞれのエディタの特徴
クラシックエディタ

クラシックエディタは、WordPress 4.9まで標準で使われていた編集画面です。現在のバージョンでも、公式プラグイン「Classic Editor」を追加すれば使い続けることができます。
1つの大きな入力欄に文章や画像を順番に入力していく形式で、画面上部のボタンを使って文字の装飾やリンクの挿入などの基本的な操作ができます。Wordやメールソフトに近いシンプルな操作感で、Webの編集に慣れていない人でも扱いやすい設計になっています。
編集画面には「ビジュアルモード」と「コードモード」があり、用途に応じて切り替えられます。
ビジュアルモード
編集結果をある程度画面上で確認しながら作業できるモードです。見出しや太字などの装飾は、専用のボタンをクリックするだけで反映できます。HTMLの知識がなくても基本的な装飾や構成ができるため、文章中心の記事に向いています。複雑なレイアウトや細かいデザイン調整には対応していませんが、手軽に扱えるのが特徴です。
コードモード
HTMLを直接入力して編集するモードです。タグの理解は必要ですが、表の埋め込みや外部サービスのコード挿入など、ビジュアルモードでは対応しきれない細かな調整が可能になります。
ブロックエディタ

ブロックエディタは、WordPress 5.0以降で標準となった編集画面で、最新のWordPressではこのブロックエディタが初期状態で有効になっています。
文章や画像、見出し、リストなどの各要素を、それぞれ「ブロック」として独立して扱う仕組みが特徴で、内容をパーツ単位で追加・編集していく形式です。
ブロックには、段落や画像など基本的なもののほかに、画像と文章をセットで配置できるものや、複数列の構成に対応したものもあります。これらのブロックはそれぞれ独立しており、必要なものを組み合わせて配置を整えることができます。あとから順序を変えたり、装飾やレイアウトを調整したりといった編集も、個別に柔軟に行えるようになっています。
編集画面では、実際の表示に近い形で内容を確認しながら操作できます。HTMLやCSSの知識がなくても、装飾やレイアウトの調整を画面上の操作だけで進められる点も特徴です。
ブロックの中には、あらかじめ用意されたレイアウトの組み合わせをパターンとして呼び出す機能や、自分で登録した構成を保存して使い回せる機能もあり、似た構成のページを効率的に作成できます。
それぞれのエディタが使われている背景
それぞれのエディタが使われている背景には、使用中のテーマやプラグインとの対応状況だけでなく、作業の流れや運用の考え方に基づいた選択も関係しています。ここでは、それぞれが使われている理由を具体的に見ていきます。
クラシックエディタが現在も使われている理由
運用体制の維持
これまでクラシックエディタを使って作業を進めてきた場合、作業手順や担当者の習熟度がこの形式に基づいています。ブロックエディタに切り替えると、操作の習得や説明資料の見直しが必要になるため、現状の体制を保つ目的でクラシックエディタが継続されています。
既存のテーマやプラグインとの整合性
古いテーマやプラグインには、クラシックエディタ専用に作られているものがあり、ブロックエディタに変更するとレイアウト崩れや機能不全が発生する可能性があります。このリスクを回避するため、既存の環境をそのまま維持する選択が取られています。
文章中心の編集に向いた構成
主に文章を中心としたシンプルな構成の記事では、機能の多いブロックエディタよりも、必要最小限の操作だけで済むクラシックエディタの方が効率的な場面があります。作業の手軽さを重視して、あえてこの形式を続けているケースもあります。
安定性を重視した運用
ブロックエディタは継続的に機能追加や調整が行われているため、仕様の変化による影響を受けやすいという側面があります。特に業務用サイトでは、安定性を重視し、更新の影響を最小限に抑える目的でクラシックエディタが選ばれています。
ブロックエディタが使われる理由
自然な普及の流れ
最新のWordPressでは、ブロックエディタが基本の編集画面として設定されています。新規インストールはもちろん、既存のサイトでも更新を重ねていればブロックエディタに切り替わっていることが多く、特別な設定をしなくてもそのまま使い続けられる流れになっています。このため、特に新しい利用者を中心に自然と普及が進んでいます。
現在のテーマやプラグインとの適合性
現在提供されているテーマやプラグインの多くは、ブロックエディタでの使用を前提に開発されています。そのため、最新の機能や構成を活かすには、ブロックエディタでの運用が必要となります。
コード不要で編集できる操作性
ブロックエディタは、HTMLやCSSの知識がなくても、画面の操作だけで文章の構成や装飾ができます。Web制作に不慣れな人でも扱いやすく、作業の手間を減らせる点が実際の運用で支持されています。
長期的な運用を見越した選択
WordPressの開発はブロックエディタを中心に進められており、新機能や改善もこの形式に基づいています。今後の環境変化への対応を見越して、ブロックエディタを基準とした運用に切り替える動きも進んでいます。
まとめ
現在のWordPressでは、ブロックエディタが標準の編集機能として設定されており、新しくインストールした場合も初期状態で有効になっています。WordPressの開発はこのブロックエディタを中心に進められており、機能追加や改善が継続的に行われています。
新しく提供されるテーマやプラグインも、ブロックエディタでの使用を前提とした設計が増えており、機能の追加や改善もこの形式に合わせて行われています。編集機能の拡張やデザイン面での自由度を活かすには、ブロックエディタが基準となります。
一方、クラシックエディタは、「Classic Editorは公式なWordPressプラグインであり、少なくとも2024年まで、または必要なくなるまでの間、完全にサポート・保守されます。」と明言しており、2024年を過ぎた現在もこの方針に基づいてサポートが継続されています。
今後提供される新しい機能やテーマとの整合性を保ちたい場合や、編集環境を将来的に柔軟に保ちたいと考える場合は、ブロックエディタへの移行を視野に入れる選択肢もあります。反対に、現在の運用環境に特に支障がなく、テーマやプラグインの互換性にも問題がない場合は、クラシックエディタをそのまま使い続けても問題ありません。
自分のサイトにとってどちらの形式が合っているのか判断に迷う場合や、エディタの切り替えを検討している場合には、状況に応じた対応を一緒に考えることもできます。気になることがあればご相談ください。