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WordPressは、世界中のユーザーに支持されている人気のCMSです。中でも、無料で利用できるという点は大きな魅力となっています。しかし、Webサイトを無料で立ち上げることは本当にできるのでしょうか?どこまで無料で利用できるのか、それにはどのようなリスクや制限があるのでしょうか?
本記事では、WordPressを無料で使用するメリットとデメリットについて解説し、無料での利用がビジネス利用にどのような影響を与えるか考えていきます。
WordPressでサイトを構築するのに必要なもの
WordPressでサイトを作成する際には、以下のものが必要になります。これらは、サイトを立ち上げ、運用する上での基盤となるもので、WordPressでサイト構築する際には欠かせません。
必要なもの
WordPress本体
WordPressのコアソフトウェアで、Webサイトの基盤となります。これは無料で利用できます。
ホスティングサービス
Webサイトをインターネット上に公開するには、ホスティングサービスが必要です。これはサイトのデータを保存・公開するスペースで、月額費用は、小規模サイトの場合500~2,000円、中規模サイトなら2,000~10,000円、大規模サイトでは10,000円~数十万円程度になります。
独自ドメイン
Webサイトのアドレスとなる独自ドメインを取得することで、サイトの信頼性や専門性が高まります。維持費用として年間1,000~2,000円程度かかります。
テーマ・プラグイン
Webサイトの見た目や機能をカスタマイズするためには、テーマやプラグインが必要です。無料で利用できるものも多いですが、高度なカスタマイズや機能を求める場合には、有料のテーマやプラグインを購入することになります。
完全無料でWordPressを始める手順
WordPressそのものは無料で提供されているため、無料のホスティングサービスと独自ドメインをうまく組み合わせることで、費用を一切かけずにサイトを構築することができます。
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1.無料のホスティングサービスを選定
無料ホスティングサービスを利用すれば、サーバー費用が掛かりません。ただし、広告が表示されたり、独自のドメインが利用できなかったり、商用利用ができない場合があるため、事前の確認が必要です。
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2.無料独自ドメインの取得
無料で提供される独自ドメインは、一般的な「.com」や「.net」といった拡張子ではなく、知名度の低い拡張子を使用することになります。
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3.独自ドメインのサーバー設定
取得したドメインとホスティングサービスを連携させるための設定を行います。
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4.WordPressのインストール
WordPress.orgから最新版のWordPressをダウンロードし、FTPを使用してサーバーにアップロードします。ホスティングサービスによっては、簡単インストール機能が使える場合があります。
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5.無料テーマの選択
WordPressでは無料テーマが用意されているので、好みに合わせてザインを選ぶことができます。
WordPressを無料で使うメリット
WordPressを無料で始めることは技術的なハードルが高いと感じますが、コストなどいくつかのメリットがあります。
コストがかからない
無料でWordPressを使う最大のメリットは、コストが一切かからないことです。とにかく始めてみようというお試し感覚の場合は、選択肢の一つになります。
リスクの低減
初期投資が不要なため、新しいプロジェクトを試す際のリスクが大幅に減少します。もしプロジェクトが上手くいかなくても、損失を最小限に抑えることができます。
試用できる
実際にWordPressを使ってWebサイトを構築し、運用してみることができます。実導入前にWordPressでのサイト運用が自分に合っているか、使い勝手や機能面で問題ないかを確認することができます。
WordPressを無料で使うデメリット
WordPressを完全に無料で運用することは魅力的に思えますが、実際には多くの制約がついていきます。特に、企業サイトの運営においてこれらの制約は大きな障害となります。軽視すると、ブランドの信用を失うこともあるので注意が必要です。
運用コストがかかる
サイトのメンテナンスは全て自身で行う必要があります。これには、WordPress本体やプラグイン・テーマの更新、データのバックアップ、パフォーマンスチェックなど、多岐にわたる作業が含まれます。
さらに、WordPressは個別のサポートサービスは受けられません。問題が発生した場合、公式フォーラムやコミュニティを通じて情報を得ることはできますが、基本的に自力で解決するしかありません。
リスクが大きく初期コストがかかる
無料テーマやプラグインは、有料のものに比べて選択肢が限られており、デザインの柔軟性や機能性に制約が生じることがあります。また、高度なカスタマイズを実現するためには、HTML、CSS、場合によってはPHPなどのプログラミング言語の知識が必要になります。このような専門的なスキルがない場合、ニーズに沿ったサイトデザインや機能を実現することが難しくなる可能性があります。
セキュリティの不安が残る
無料のホスティングサービスは、有料サービスに比べてセキュリティ対策が弱いことが多く、サイトがハッキングの対象となりやすくなります。また、WordPress自体のセキュリティアップデートは自動化できても、攻撃者に対する防御は自身で管理する必要があり、常に最新の知識を得ながら監視する注意と労力が必要です。
表示速度が遅い
有料サービスに比べて、無料ホスティングサービスはリソースが限られていることが多く、サイトの読み込み速度が遅くなる傾向があります。加えて、適切なキャッシュ設定や画像の最適化、データベースのメンテナンスなど、サイトのパフォーマンスを向上させるための技術的な対応が必要となります。表示速度が著しく遅いWebサイトの場合、ユーザーが途中であきらめてしまったり、SEOの評価が悪くなるなどのリスクが生じます。
広告が表示される
多くの無料のホスティングサービスでは、Webサイト上に広告が表示されます。これは企業やブランドのプロフェッショナルなイメージを損なうだけでなく、ブランド価値を下げるリスクもあります。
安定性の問題
無料のホスティングサービスでは、ディスクスペースや帯域幅などの容量に制限が設けられており、Webサイトの成長やユーザー体験に影響を及ぼすことがあります。
さらに、有料サービスに比べてビジネスモデルが不安定な場合が多く、サービスが予告なく終了するリスクが常に付きまといます。
ドメインの信頼性
無料で提供されるドメインは知名度の高いcomや.netといったトップドメインは取得できません。知名度の低いドメイン名は訪問者に不信感を与え、サイトの離脱につながることがあります。
さらに、無料ドメインにはシビアな条件が設けられていることが多く、一定期間内に一定数のアクセスがないとドメインが自動的に停止されることがあります。また、無料ドメインの更新期間も短く設定されており、頻繁に更新が必要となります。これらの条件はWebサイトを運営する上で大きな負担となります。
利用制限
無料のホスティングサービスではPHPやMySQLのような重要な技術が使用できない場合があります。WordPressはこれらの技術をベースに構築されているため、使用できないとWordPressのサイトを運用すること自体が不可能になります。
さらに、無料サービスの中には商用利用が明示的に禁止されていることがあります。これは、ビジネスが無料リソースを利用して収益を上げることを制限するためです。ビジネスや商用目的でサイトを運用する場合は特に慎重に規約を確認する必要があります。
これらのデメリットをふまえると、個人的なブログや趣味の領域を超えて、企業がブランドやサービスを広めるためのWebサイトを運営する際に、無料のWordPressでは限界があることがわかります。
特に、セキュリティの更新やサイトのメンテナンスは、Webサイトの運営において避けられない課題です。これらの作業は、Webサイトの安全性と安定性を維持するために欠かせません。
管理と保守の負担は決して小さなものではありません。Webサイトの長期的な成功と安定性を確保するためには、単にコンテンツを更新するだけではなく、Webサイトのメンテナンスやセキュリティを維持する継続的な保守管理が不可欠です。
保守管理の必要性
無料でWordPressを使うことは、手軽にWebサイトを立ち上げられる一方で、セキュリティの問題や様々な制約を伴います。これらに対応するためには、継続的な保守管理が欠かせません。保守管理は、Webサイトのセキュリティを強化し、安定性を保つための作業であり、コンテンツの更新とは異なります。
コンテンツの更新
新しい記事の投稿、サービスや製品情報の更新、既存のコンテンツの見直し、デザイン変更など、多くの人がWebサイト制作と言われて思いつく作業がコンテンツの更新になります。
新しい情報を発信し続けることで、Webサイトの価値を上げ、活気のあるものとなります。
保守管理
ソフトウェアの定期的な更新、セキュリティ対策、データのバックアップ、パフォーマンスの監視、トラブルシューティングなど、Webサイトを健全かつ安全に運用するための裏側で行われる作業を指します。
無料でWordPressを運用する場合、これらの作業はサイト運営者自身の責任になり、専門的な知識と定期的な管理が必要になります。特にセキュリティ関連の対応や技術的な問題の迅速な解決には、高度なスキルが求められます。これらの作業は専門的な知識と定期的な管理を必要とするため、メンテナンスサービスを利用することで、セキュリティの確保、技術的な問題への迅速な対応、データの定期的なバックアップなどのリスクを軽減できます。
このように、ただコンテンツを更新するだけではなく、サイト全体の健全性とセキュリティを維持するためにも継続的な保守管理は不可欠です。しかし、これらの作業は専門的な知識と定期的な管理を必要とするため、メンテナンスサービスの利用をおすすめします。
まとめ
WordPressを無料で利用することは多くの制限があることがわかります。
これらの制限は、個人のブログや趣味のサイトでは問題ないかもしれませんが、企業のWebサイトとしては適していません。
無料プランの制約やセキュリティ、メンテナンスの課題は、ビジネスの成長やブランドの信頼性に影響を及ぼすため、Webサイトの安全性と安定性を保つためには、定期的なソフトウェアの更新、セキュリティの強化、データのバックアップといった保守管理作業が欠かせません。
シーズマネージサイトでは、WordPressに関する継続的なサポートとメンテナンスを行っています。セキュリティ強化、定期的なバックアップを通じて、お客様のWordPressサイトを支えます。シーズマネージサイトへのご相談は無料相談サービスかお問い合わせフォームをご利用ください。

