Resource Centerリソースセンター

2023.06.21
Web担当者になったら知っておきたい運用の基本 ビギナーガイド

知らないじゃ済まされないWebサイトの著作権

Webサイト制作において欠かせない問題の一つが著作権です。
制作者と依頼者の間で生じる著作権に関する認識のズレによってトラブルを回避するためには、著作権について正しく理解することが不可欠です。
本記事では、Webサイトで使用する素材や制作物に関する著作権の重要性について詳しく解説します。

Webサイトにおける著作権とは

著作権は、制作物を作った人の権利を守るための法律です。
Webサイトにおいても、著作権は重要な要素です。Webサイトには、Web全体のデザインやテンプレート、ソースコード、キャッチコピー、文章、画像や動画、音声や音楽など、様々な創作物が含まれます。それぞれのコンテンツには著作権だけでなく、商標権や肖像権など様々な権利が存在しており、これらの権利関係を正確に把握することが重要です。
素材の著作権、肖像権、商標権について正しく理解し、必要な承諾や使用権を取得することで、Webサイトを合法かつ、信頼性のあるものとして運用することができます。

著作権

著作権は、制作者が作成した小説や音楽、絵画、写真、デザインなどの制作物に対して、他者が無断で使用することを制限するための法的な権利です。著作権には複製、改変、再配布を制限する役割があります。
一般的に制作物の著作権保護期間は制作者の死後70年までとされていますが、国や地域によって著作権の保護期間は異なる場合があるため注意が必要です。
他者が制作した物を無断で使用することは違法であり、著作者や著作権者から明確な使用許諾を得る必要があります。

著作者と著作権者は違う

著作者と著作権者は異なる存在です。
著作者とは、制作物を創作した個人や団体を指します。小説や音楽、絵画などを制作した人が著作者になるため、著作者は変わることはありません。
一方、著作権者とは、法的に著作権を所有している個人や団体を指します。
通常、制作物の著作権は制作者が所有していますが、著作者が自らの著作権を他の人や団体に譲渡することも可能です。

肖像権

肖像権は、人物の顔や外見、特徴などの肖像を使用する際の権利であり、写真や動画に写っている人物の許可なく使用することはできません。有名人や公的人物だけでなく、一般の人々も同様の権利を持っています。
Web上で見つけた画像を無断で使用することはもちろん、自分が撮影した写真であっても明確に肖像が確認できる場合は、本人の許可なく使用することは肖像権の侵害になります。
肖像権の侵害はプライバシーの侵害だけでなく、その人のイメージや評判を貶めることになる可能性があります。他者の肖像を尊重し、適切な手続きをとることが重要です。

商標権

商標とは、特定の商品やサービスを識別するためのマークやロゴなどを指します。
商標権は、この商標を保護するための権利です。他者が類似した商標を使用して混乱を招くことを防ぐことができます。
商標権の侵害は、直接的にブランド価値や顧客の信頼に影響を与えるため、特に慎重に扱う必要があります。
Webサイト上で他者の商標を使用する際は、使用目的や範囲に関する制限を明確にし、商標所有者とライセンス契約を結ぶ必要があります。

素材の著作権

Webサイトの制作には様々な素材が使用されます。これらの素材は自分で作成するだけでなく、素材サイトを活用することもあります。
素材サイトを利用する際は、規約やライセンスを十分に確認し、適切な方法で利用する事が重要です。素材サイトでは提供する素材の使用によって生じた損害について、サイト側は責任を負わない旨を明示しています。免責事項や利用条件を確認し、素材を使用する際のリスクや責任について理解しておきましょう。

ライセンスと著作権

ライセンスは、素材の使用条件や制約を定める法的文書です。
素材サイトでは、さまざまな種類のライセンスが提供されており、素材の使用方法や制約、クレジット表示の要件、商用利用の可否などが記載されています。
また、素材には、著作権情報が含まれる場合があります。著作権情報には、素材の著作者や著作権の所属先、使用許諾条件などが含まれています。素材を利用する際には、著作権情報を削除せずに保持し、必要に応じてクレジット表示を行う必要があります。
著作権フリーの素材にも使用条件や制限があるため、事前に規約やライセンスを確認することが重要です。

利用条件

多くの素材には利用制限があり、素材の改変、商用利用の可否、クレジット表示の有無、使用範囲の制限、肖像権や商標権の制約などが含まれます。
素材を利用する際は、ライセンスで定められた利用条件や肖像権、商標権などの制約に従う必要があります。
また、素材によっては非商用利用のみ許可されており、商業利用には別途許可が必要な場合や、改変は一切禁止といったものもあります。企業がWebサイトに素材を利用する場合は商業利用になります。また、Webサイトで素材を改変することが一般的なため、このような制限がある素材は利用できません。
利用条件が使用目的と合っているか十分に確認しましょう。

透明性と信頼性

素材サイトが利用規約を明確かつ簡潔に提供しているか、また信頼性のあるソースから提供されているか確認してください。利用規約が曖昧であったり、情報が不足していたりする場合は注意が必要です。公開されている利用規約を十分に確認し、信頼できる素材サイトを選ぶことをおすすめします。

制作物の著作権

Webサイトの制作において、制作者と依頼者の関係性には著作権の観点から重要な要素が含まれています。制作者と依頼者それぞれがどのように著作権に関与するかを説明します。

制作者の著作権

Webサイトは、デザイン、レイアウト、コード、テキストなど様々な要素が組み合わさって作られたものです。これらの制作物の著作権はWebサイトの制作者または制作会社が所有しています。
制作者は、自身の制作物に対して著作権を主張し、その使用や改変、再配布などについて制限する権利があります。
また、制作者は依頼者に対し著作権を譲渡することができます。制作者が依頼者に著作権を譲渡した場合、依頼者は指定された範囲内で制作物を使用する権利を得ることができます。

依頼者の利用権限

依頼者は制作者に対して報酬を支払い、制作物を所有する権利を持つことができます。ただし、制作者が制作した制作物に対する著作権は制作者自身にあります。依頼者は、制作者の著作権を尊重しながら、制作物を適切に利用する責任を負っています。
依頼者は、制作者から明示的に許可を得た範囲内で制作物を利用することができます。
また、制作者のクレジット表記が求められる場合、依頼者はそれを尊重し、制作物に適切に制作者の名前やクレジット情報を表示する必要があります。

著作権トラブルを避けるために

Webサイト制作に限らず、著作権トラブルを避けるためには著作権について正しく理解し、契約を明確にすることが重要です。

サイトの利用範囲の制約

前章で説明した通り、制作会社が作った制作物は制作会社に著作権があります。
Webサイトを制作する際は、制作目的や利用範囲を明確にすることが重要です。制作されたWebサイトの利用目的や範囲、利用期間などを具体的に決め、著作権の取り扱いや利用許可を得る必要があります。
バナーやメインビジュアルなどの制作物を、印刷や動画など事前に取り決めた範囲を超えて使用する場合は許可を得る必要があります。

素材の購入とデザインデータの提供

一般的に、素材サイトで写真などの素材を購入するのは依頼者側となります。依頼者が素材を購入することで、購入した素材を別の媒体で使用することができます。
Web制作においてデザインを依頼した場合、通常はJPEGやPNGなどの出力データと元データだけが納品されます。
しかし、何らかの理由で制作会社を変更することになった場合、デザインデータがないと引継ぎができない場合があります。そのため、制作会社を変更する前にデザインデータを受け取っておくことをおすすめします。後からデザインデータの提供を求めるとトラブルになる可能性もあるため、最初にデザインデータの取り決めをしておくとトラブルが少なくなります。

共同制作のポイント

Webサイトの制作が複数の制作会社による共同制作の場合、明確なルールや契約書の作成が欠かせません。
制作物の使用に関して共同制作者間で許可範囲、使用期間、地域制限などを合意することで、制作物の利用に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
著作権や利益配分、担当範囲、使用許可範囲などの事項を明確に取り決めることで、円滑な共同制作が実現し、制作物の品質と権利が保護されます。

専門家に相談

Webサイトの制作に関わる著作権や契約に関して十分な知識がない場合は、専門家や弁護士に相談することも検討しましょう。特に国際的なプロジェクトでは、国によって著作権に関する法律や規制が異なる場合もあるため、専門家の助言を受けることが重要です。

契約相手が著作権を軽視したり侵害行為を要求したりする場合は、健全な取引ができる状態とは言えません。著作権に関する考え方が合致しない場合は取引を諦めることも重要です。

まとめ

著作権を尊重することはWebサイトの合法性と信頼性を確保することにつながります。
著作権は制作者の権利を守るための法律であり、Webサイトには多様な創作物が含まれます。それぞれのコンテンツには著作権だけでなく、肖像権や商標権などの権利も存在します。他者の制作物や肖像、商標を勝手に使うことは違法です。
素材を使用する際には、適切な許可を得ることで著作権トラブルを回避することができます。
契約相手が著作権を軽視したり、侵害行為を要求したりする場合は取引を諦めることも重要です。

シェアする ツイート

お問い合わせ

マネージサイトに関するご質問など、
まずはお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

無料診断のお申し込み

貴社のWebサイトの課題を信頼性、可用性、保守性、
保全性、安全性の5つの観点から診断します。

お申し込み